「ヒモが好きな猫で、食べちゃうから注意してたんですけど、ちょっと目を離したスキに食べたみたいで、おもちゃに引っ付いていたヒモがなくなってました」ということで、1歳の猫が来院しました。
「ヒモ状異物」という病気の項目があります。ヒモを食べてそれが引っかかると、ヒモの先端が小腸に入りドンドン先に送り出されて、腸が蛇腹状になって、激しい嘔吐が始まります。猫は元気消失、食欲は廃絶します。その状態が進むと、紐が柔らかい小腸の壁を切り崩して破れて、腸内容が漏れて腹膜炎をおこし、大変なことになります。こうなると、かなりの確率で猫は死亡します。
猫に麻酔をかけるときに鎮静薬を打ちますが、この薬には、嘔吐の副作用があります。この注射を打つと半数位の猫が吐きます。この副作用を使って、吐かせようということです。吐かなかったら、内視鏡のある病院をご紹介して、取ってもらうことにしました。
注射して間もなく嘔吐が始まりました。最初は、朝食べたキャットフードが出てきました。ヒモは入ってません。「ダメかなぁ~」と思っていたら、次の嘔吐でヒモが出てきました。「ああ、良かった!」ヒモ好きな猫を飼っている方は、ご注意くださいね。