「口臭が気になる」ということで来院してきた3歳の猫です。口の中を診ると、歯周炎でグラついている歯がありました。かなり動揺していたので、鉗子で引っ張ると、ポンと抜けましたが、他の臼歯も悪そうだったので、麻酔下の処置をお勧めしました。
歯周炎が進んでいたので、臼歯は比較的簡単に抜け、1時間足らずで、すべての臼歯を抜くことができました。写真で、歯根が赤い部分は、歯肉にひっついているところですが、その他の部分は、完全に歯肉から浮いています。中には、歯根が溶けている歯もありました。抜いて穴があいた歯肉を縫合して終了です。以前は、血液で埋める方法をとってましたが、縫合した方が、術後の出血が少ないようです。
時々、若いのに歯周炎が進んでいる猫に遭遇します。屋外飼育でエイズ陽性の外猫には、口内炎や歯周炎が多いのですが、今日の猫は完全室内飼育です。歯周炎の原因は分かりませんが、これからは、猫も飼い主の方も、快適に生活できますね。元々、歯としては機能していませんから、抜歯しても、その後の食事内容には影響ありません。しかし、最近、抜歯ばっかりしてるなぁ~。