今日の不妊手術は、繁殖リタイア犬です。繁殖犬としてのお勤めを終えて、新しい飼い主の元にやってきました。推定年齢は5歳位かな?この子は、帝王切開で出産したようで、お腹には傷があります。一度、発情があったので、子宮と卵巣は残っているはずです。
開腹手術を受けた子は、お腹の中の臓器が癒着しています。お腹の中には「大網」という網状の組織があって、これが、お腹の中の臓器を守っています。異物が原因で小腸が傷ついたときなど、この組織が傷ついた部分を被って、組織を保護します。大切な役目を負っている組織ですが、帝王切開で、子宮を切ると、この組織が、切った部位を被うので、時間が経過すると、それが癒着して、正常な状態とは違った様子になります。
予想はしていましたけど、癒着した組織を外さないと、子宮や卵巣が表われませんから、慎重に、癒着を外しながら、予定通り手術を終えました。
出産や、子育てで働いたワンちゃんです。これからは、新しい飼い主の元でのんびりと過ごせますね。ご苦労様でしたね。